暖かさとコーデの格上げを両立させるファーベストは、素材や着こなしでさまざまな印象を楽しめます。
その一方、個性的なアイテムのため「選び方やコーデが難しい」「何月頃から着られるの?」といった疑問を持つ人も少なくありません。
この記事では、ファーベストの選び方や着こなしポイント、おすすめのコーデ7選をご紹介します。
1.ファーベストの種類
ファーベストに使われる素材は主に3種類です。それぞれの特徴が風合いや印象、コーデの方向性に影響するため、違いを知っておきましょう。
_
_
シャギーファー
シャギーファーは、見た目がもじゃもじゃとした長い毛羽で作られた厚手の毛織物です。一見すると動物の毛皮のようにも見え、モヘヤ、アルパカ、アンゴラなどのやや硬めの獣毛が用いられます。
そのほか、綿や化学繊維と混紡したシャギーも存在します。このタイプはゴージャスな雰囲気を持ち、コートやベストなどのアウターやセーター、帽子などの衣類に最適です。
質感はもじゃもじゃでかわいらしいのですが、毛足が長いために汚れが絡まりやすく、抜け毛が気になることもあります。
また、長期間使用すると、毛羽が弾力を失い、潰れてしまいがちなため、小まめな手入れがおすすめです。
シャギーファーを使ったベストはやわらかさとカジュアルさが魅力です。華やかな印象もあるため、デイリーコーデを格上げしてくれるでしょう。
_
_
ボアファー
ボアは、そのもこもことしたボリューム感が特徴です。見た目のボリューム感をいい意味で裏切り、軽量で暖かいため、洋服の袖や襟、裏地としてもよく使われています。
ボアの毛がカールしていることから、空気を含んで保温性が高まるのもポイントです。寒い季節でも優れた保温性を発揮し、暖かさとスタイリッシュなデザインが楽しめる素材だと言えるでしょう。
ボア生地は主にアクリル素材でできています。アクリル素材は高い保温性と優れた伸縮性があり、暖かさに加えて動きやすさが生まれることも特徴のひとつです。
さらに、ボア生地には「ウール混」や「獣毛混」などのバリエーションもあります。アクリル素材にウールや獣毛を混ぜることで、より本物の毛皮に近い風合いが楽しめます。
暖かさを重視するならボアファーのベストがおすすめです。幅広いコーデが楽しめますが、なかでもボヘミアンスタイルにはよくマッチします。
_
_
クラシックファー
クラシカルなシルエットが品をかもし出すクラシックファーベスト。クラシックファーはエレガントなコーデを楽しみたい時におすすめです。
クラシックファーは素材を指すわけではなく、使われている素材はさまざまです。どのような素材でも共通していることはスタイリッシュで品のあるルックスだということでしょう。
スタンダードでクラシカル、そしてエレガント、スタイリッシュと欲張りなコーデが実現します。
派手になりすぎないためオフィスカジュアルにもマッチしやすく、1着あれば幅広いシーンで使えそうです。
_
_
2.ファーべストの選び方
実際にファーベストを選ぶ時には3つの注目点を押さえておくと役立ちます。
自分にぴったりの1着を探す時には、丈、カラー、素材を意識しながら探してみてください。
_
_
丈で選ぶ
ファーベストを選ぶポイントのひとつは「丈」です。コーデや好みのほか、体型で気になる部分のカバーなどにも注目しましょう。
多くのファーベストの丈は「ショート」「ミディアム」「ロング」に分けられます。
ショート丈はコーデにメリハリをつけたい時に、ミディアム丈はトレンドファッションを意識したい時に、
ロング丈は縦長のラインを出したい時に、といったシーンごとの使い分けが可能です。
また、体型カバーがしやすい点にも注目したいところ。
たとえばウエストラインやヒップサイズが気になるのなら、ロング丈で目隠しをしつつ、縦長効果ですっきりしたスタイルを演出しましょう。
ショート丈は上半身をすらっと見せる効果があるため、悩みをカバーしたいと考える人におすすめです。
_
_
カラーで選ぶ
ファーベストとトップスの組み合わせを考える時は、同じ系統のカラーよりも対照的なカラーを選ぶことで、よりおしゃれな印象を演出できます。
たとえば、普段からダークカラーを着る機会が多い人は、明るい色のファーベストを選んでみましょう。コントラストが生まれ、スタイリッシュで新鮮な雰囲気になります。
逆に、ホワイトやピンクのようなライトカラーが多い人は、ダークカラーのファーベストで引き締め効果を狙うとコーデのグレードが上がります。
派手すぎる印象を避けつつも明るいカラーを選びたい人には、グレーのファーベストがおすすめです。グレーは洗練されつつも適度な引き締め感があり、上品な雰囲気を作り出します。
自分の好みやスタイルに合ったカラーのファーベストを選ぶことで、魅力的なコーデが完成します。
_
_
_
素材で選ぶ
ファーベストの素材は数種類あります。前述の通り、長い毛足が魅力的なシャギーファー、もこもこ感とあたたかさがたまらないボアファーなど、それぞれの特徴を考えながら選びましょう。
シャギーファーならやわらかい印象に、ボアファーなら真冬の猫のようなふんわりとした印象になるなど、コーデの印象も変わってきます。
また、ファーの毛並みによっても印象は変わります。毛足が長くても細めのファーならすらりとした見た目に、毛先がカールしたファーならまるでプードルのようなスタイルに。
素材や毛並みをチェックし、好みのコーデとマッチするファーベストを探してください。
3.ファーベストを着こなすポイント
ファーベストをおしゃれに着こなしたければ、カラーリングやシルエット、インナーに選ぶ服、着用する季節などに気を配りましょう。着こなしポイント5つをご紹介します。
_
_
インナーのカラーを統一する
カラーバランスはコーデの鍵とも言える重要な要素です。
カラーリングセンスに自信がある人は別ですが、そうではない人や気楽に着こなしたいという人は、トップス、スカートなどのインナーを同系色でまとめたコーデを意識してみましょう。
いわゆるワントーンコーデの部類ですが、ワントーンコーデは同系色でもトーンや素材を変えることにより、シンプルでもこじゃれた雰囲気を出せる着こなし技です。
その雰囲気に加えて洗練されたセンス感もプラスされるため、コーデの上級者に見えるでしょう。
その上でワンポイントになるカラーのファーベストを重ねれば、アクセントになってさらにお洒落感が高まります。
インナーの同系色使いで手軽にコーデをグレードアップさせましょう。
__
スカートコーデはIラインを意識
インナーのシルエットはIラインがおすすめです。
ファーベストはどうしてもボリュームが出てしまうため、インナーのシルエットを細くして引き締まった印象を狙います。
スカートならボリュームがなくストンとしたデザインを、パンツも同じくスリムタイプがおすすめです。
インナーにもボリュームを持たせると膨張したように見え、場合によっては少々ふくよかに見えてしまうことも。
シルエットも洗練されてるとは言いにくいものになってしまうため、スタイリッシュに着こなしたい人はIラインを意識したインナーコーデにしましょう。
_
同色系のワンピースと合わせる
ファーベストとインナーのワンピースを同系色にすると、一気にフェミニンで洗練された雰囲気が生まれます。
カラーリングの調和を取りやすいほか、ワンピースのシルエットのコントロールで全体のバランスを整えることにも向いています。
シンプルなコーデに見えますが、異素材の組み合わせやカラートーンの変化でさまざまな表情を生み出せるのもこの方法のおすすめポイントです。
_
カジュアルなインナーにはきれいめパンツ
カジュアルなインナーにカジュアルなパンツを合わせると、どうしても全体的な印象が軽くなってしまいがちです。ファーベストが浮いたように見えてしまうかもしれません。
インナーがカジュアルな時にはきれいめパンツを選び、コーデをエレガントに引き締めましょう。
さらにスリムタイプならボリュームも引き締められ、ファーベストのボリューム感とほどよくマッチします。
_
_
着用する季節を考える
ファーベストを着る季節は冬だけではありません。コーデや素材によっては9月下旬から着ている人もいます。
まだ涼しい時期には夏服にファーベストを羽織り、季節の変わり目を楽しみましょう。寒さが深まる秋冬はニットなどシーズンに合わせた服へ羽織ります。
「袖がないから真冬は着られないな」と思わなくても大丈夫です。真冬はアウターの下にファーベストを着込めます。
意外にも長く着られるため、ファーベストならではの季節コーデを楽しんでください。
4.ファーベストにおすすめのインナー
ファーベストのインナーは、シンプルならどのようなタイプでも基本的にバランスよく着やすいのですが、中でもおすすめのタイプを3つご紹介します。
_
_
タートルネック
首元を覆っていてもすっきりしたネックラインとバストラインが演出できるタートルネック。シンプルですが、選ぶカラーやシルエット次第でカジュアルでもきれいめでも幅広いコーデが楽しめます。
ボリューム感のあるファーベストは、インナーがシンプルであることが大前提です。タートルネックならその前提にぴったりでしょう。
冬場には防寒になることもタートルネックの魅力。ファーベストと組み合わせればさらに暖かさを感じられます。コーデ+防寒の欲張りアイテムです。
_
_
ロンT
ファーベストの着こなしに欠かせない「Iライン」を手軽に作るならロンTもおすすめです。
ロンTを頭からかぶるだけでストンとしたシルエットが生まれ、ファーベストのボリューム感をほどよく押さえながらスマート感や重ね着感を出してくれます。
さらにぴったりしたスカートやパンツを合わせれば完成度の高いカジュアルシルエットに。
ロンTのデザイン次第ではレディライク、メンズライクなど幅広く楽しめるでしょう。手軽におしゃれ上級者になりたい時にもおすすめです。
_
_
シャツ
ごく普通のシャツにさらっとファーベストを羽織るのも、さりげなくしゃれた印象になります。素材やカラー次第ではカジュアル、きれいめのどちらも楽しめる着こなしです。
ほとんどのシャツはベーシックなシルエットになっているため、ファーベストのディテールを邪魔することもありません。
合わせるスカートやパンツの雰囲気も工夫すれば、シンプルなのに洗練されつつ、シャツならではのちょっとした抜け感も演出できるコーデになるでしょう。
_
_
5.おすすめのファーベストコーデ4選
ここからは、ファーベストのタイプ別コーデやおすすめアイテムをご紹介します。
_
ブラック×ブークレファーベスト
ホワイトのブークレファーベストがブラックのニットワンピのシンプルなコントラストが際立つコーデ。
長過ぎない毛並みのブークレ素材が高見え感とエレガントな雰囲気をかもし出しています。
ブークレ素材は暖かさも抜群!コーデアイテムとしてだけではなく、冬の防寒対策にも大活躍します。
厳寒の日はコートの下にも着られる軽量感も見逃せません。一度着たら通勤・通学に欠かせなくなりそう。
オフィスでコートを脱いだ時、きちんと感があるのでそのまま着ていても気にならないこともお役立ち感満載です。
ブラック×ホワイトは小物使いで多彩な表情に変わるのも魅力のひとつ。お気に入りアイテムと合わせたコーデでいろいろな雰囲気を楽しみましょう。
_
オフホワイト×ロングファーベスト
オフホワイトのトップスとベージュのロングファーベストに同系色のパンツを合わせたコーデ。秋冬の冷え込み始めた時期や春先の暖かい日にぴったり!
バッグと靴を濃いめのチョコレートカラーにすれば引き締めポイントも生まれ、甘くなりすぎない大人コーデとしてもおすすめのスタイルに。
合わせる小物によってはオフィスカジュアルにもデートテイストにもなり、ヘビロテになる人も少なくないかもしれません。
もこもこの毛並みがかわいいロングファーベストは体型カバーにもおすすめです。縦長シルエットでスタイルアップ効果も手に入る、嬉しいことづくめの贅沢コーデとして重宝しそう。
_
ワンピース×ダッフルファーベスト
思わず「かわいい!」と言いたくなるようなキュートデザインのダッフルファーベスト。シンプルなワンピースと合わせれば甘めの冬スタイルが完成します。
ダッフルファーベストは少し長めの丈ですが、ボリューム少なめですっきりしたディテールのボトムと相性抜群。
ストンとしたワンピースにもマッチして、細見えと脚長効果が期待できます。
ベストのフロントはボタンを閉めても開けてもかわいらしさが変わりません。かわいめコーデが好きな人はもちろん、
「ファーベストが着たい、でもゴージャスすぎたりもこもこすぎたりするのは気になる……」という人にもおすすめです。
_
カジュアル×シャギーファーベスト
きちんと感のあるコーデやフェミニンコーデを意識しがちなファーベストですが、カジュアルスタイルとも抜群の相性を発揮します。
毛並みが長く華やかな印象があるシャギーファーも、カジュアルなインナーとボトムとの組み合わせで絶妙の「抜け感」が生まれ、
こなれた印象をプラス。カジュアルでも上級者の小技が効いた技ありコーデです。
こちらのファーベストは目立たないながらもサイドについたポケットがカジュアル度をアップ。
お出かけはもちろん、デイリーで「ちょっとそこまで」の時にも気軽に羽織れそうな1着です。
6.カジュアルもきれいめもファーベストで♡
冬の定番かと思いきや、9月下旬の少し涼しくなる頃から楽しめるファーベスト。
素材やインナーの選択によってはカジュアルコーデもきれいめコーデも完成する実力者です。
迷いがちなファーベストのコーデも、素材やカラー、シルエットの選び方を知っていればヘビロテアイテムの仲間入りをするかもしれません。
基本をつかんで素敵なコーデを楽しんでください。
_
_
_