せっかく購入した服や小物でも、身に付けると着膨れしてしまったり太く見えてしまったりすると、おしゃれを最大限楽しめません。
しかし、着やせできる服の知識やノウハウがあれば自分に合う服や気になる部分をカバーできる服が選べるようになるはずです。
この生地では、着やせのメカニズムや着膨れする原因、痩せて見える服の選び方やおすすめコーデについて詳しく解説します。
着やせのメカニズム

着る服によって本来の体型より痩せて見えることを「着やせ」、反対に太って見えることを「着膨れ」といいます。
この現象はほとんどの場合、目の錯覚によって引き起こされるものであり、服のデザインや色、素材などさまざまな条件の組み合わせによって発生します。
コーディネート次第では本来の体型よりスリムに見せられるため、服を選ぶ際は「痩せて見えるか」「着膨れしないか」などを意識しながら選ぶと良いでしょう。
また、着やせは服の色が大きく影響するため、膨張色・収縮色の特性を知っておくと服選びがしやすくなります。
膨張色
膨張色とは、実際のサイズよりボリュームがあるように見える色のことを指し、白や黄色、赤などが代表的です。
膨張色は明度が高く、目立ちやすいため余計に大きく見えてしまう可能性があります。トップスやボトムスに膨張色を持ってくると着膨れしやすくなるため、注意が必要です。
ただし、膨張色は上手く活用すれば女性らしさやふんわり感を演出するのに役立つため、必ずしも悪いというわけではありません。
収縮色
収縮色とは、実際のサイズよるボリュームが少なく見える色のことを指し、黒や深緑、紺色などが代表的です。
収縮色は着やせ効果が高く、同じサイズの膨張色の服と収縮色の服を横に並べるとサイズ感の違いが実感できます。
ただし、全身収縮色が良いというわけではなく、膨張色と組み合わせることで着やせ効果を高められます。気になる部分に収縮色を使い、気になっていない部分には膨張色を使うとバランスが取れるはずです。
着膨れする原因

着膨れする原因は服の色だけではなく、サイズや着こなしなども影響します。着膨れを避けるためには、まずなぜ着膨れするのか知っておくことが大切です。
着膨れの原因を把握しておけば、着膨れするアイテムを避けられるのはもちろん、アイテム選びもスムーズになります。
ここでは、着膨れする原因について詳しく解説します。
体型に合っていないサイズを選んでいる
着膨れする代表的な原因の一つとして、自分の体型に合っていないサイズの服を選んでいることが挙げられます。
近年流行っているオーバーサイズの服ですが、取り入れ方を間違えると横に広がった印象を与えるため、余計に着膨れして見える可能性があります。
体型によって合うサイズ感やデザインが異なるため、場合によっては気になる部分を隠さない方が着やせできるケースもあります。
重ね着のしすぎ
寒い季節は重ね着を余儀なくさせられますが、重ね着をしすぎると着膨れの原因になってしまうケースも少なくありません。
冬服は厚手の生地で作られているアイテムが多いため、重ねるとその分大きく見えてしまいます。
また、重ね着のしすぎは肩こりや血行が悪くなる原因にもなり得るため、着膨れするだけではなく、体調にも影響する可能性があります。
重ね着をする理由が防寒であれば、暖かいインナーを着るのがおすすめです。
膨張色のトップスを選んでいる
ジャストサイズやピタッとしたトップスを選んでも着膨れして見えることも珍しくありません。これは膨張色が原因であり、目の錯覚によって本来のサイズより大きく見えてしまっている可能性があります。
特にパステルカラーや白などは可愛らしさを表現できる色ですが、膨張色のため着膨れしやすいです。また、伸縮性のあるニットは、膨張色を選んでしまうと横に広がって見えるため注意が必要です。
トップスに膨張色を取り入れたい場合は、トップスの形状や組み合わせるボトムスを意識しましょう。
ボトムスの使い方が合っていない
着膨れの原因はトップスや膨張色だけではなく、ボトムスであるケースもあります。広がりのあるパンツやふんわりとしたスカートなどは横に広く見えやすいため、着膨れしやすいです。
特に近年定番アイテムとなりつつあるワイドパンツやフレアスカートは、下半身が目立つため、体型によっては強調される要因にもなります。
寒い季節の厚手のトップスと組み合わせると全体的に着膨れする可能性もあるため、トップスとボトムズのバランスには注意が必要です。
着やせで重要な3つのライン

着やせして見えるかどうかは、多くの場合シルエットで決まります。
着やせコーデを作るのであれば、まず基本シルエットであるXライン、Aライン、Iラインの特徴を知ることが大切です。
ここでは、それぞれのラインの概要を紹介します。自分に合うラインを見つけて、着やせコーデを作る時のガイドにしてみてください。
Xライン
Xラインとは、ウエスト部分を絞ってくびれを強調するメリハリのあるシルエットのことをいいます。
例えば、ベルトでウエスト部分を強調したり上着の前ボタンを締めたりなどすれば簡単にXラインを作ることが可能です。
また、広がりのあるボトムスに短めのトップスを組み合わせるとXラインを作れます。ゆったりとした服はラインがぼやけるため、なるべく身体にフィットするものを選びましょう。
Aライン
Aラインとは、トップスを小さくしてボトムスを大きく見せるシルエットのことをいいます。身体のラインを隠すシルエットとも呼ばれており、カジュアルで可愛らしい印象を与えられるのが特徴です。
Aラインは腰やおしり、太もも周りがカバーしやすく、ウエスト位置を高めにしておけば着やせ効果に加え、足長効果も得られます。
また、Aラインのスカートにトップスをインすることで、Xラインとして着回すこともできるため、幅広いおしゃれに活用できます。
Iライン
Iラインとは、縦にストンと落ちるシルエットのことを表わしており、縦長ラインを強調することが特徴です。
生地が直線的に落ちるカーディガンやタイトスカートなどがIラインを作るのに有効であり、身長や体型に関係なく誰でもスタイルを良く見せられます。
Iラインは全体的にすっきりコンパクトにまとめることがポイントです。
痩せて見える服を選ぶときのポイント

痩せて見える服を選ぶことは一見難しく感じるかもしれませんが、着やせする服には一定の傾向があるため、ポイントをおさえておけば選択は簡単です。
傾向が分かっていればアイテム選びも楽になるため、ショッピングやコーデの時短にもつながります。
ここでは、痩せて見える服を選ぶ時のポイントを紹介します。どのような服が痩せて見えるのか分からないという方は、ぜひ参考にしてみてください。
痩せて見える色を選ぶ
たとえ同じデザイン・形の服であっても、色が変わるだけでいっきに着膨れして見えることがあります。
痩せて見える服を選びたい時はパステルカラーなどの膨張色ではなく、黒やダークグレー、青や紺、緑や紫などの収縮色の服を選ぶ用にしましょう。
全身を収縮色でまとめると重たい印象になってしまうため、気になる部分に収縮色を使うとバランスがとりやすくなります。
痩せて見える柄を選ぶ
痩せて見える服を選ぶ際は色も重要ですが、柄も非常に重要です。
大きい柄や線が太いボーダー柄は、実際のサイズより大きく見えやすく着膨れする可能性が高い柄です。
着やせしたい場合は、柄が小さい・細いものを意識して選ぶことをおすすめします。着膨れしやすいボーダーでも、線が細いものであれば横幅を強調する効果が薄まります。
また、定番の花柄も同様であり大きくデザインされたは膨張して見えるため、なるべく小さく描かれているものを選びましょう。
痩せて見える小物を選ぶ
服だけでも着やせ効果を得ることは十分に可能ですが、小物を取り入れることでより着やせ効果を強くすることが可能です。
例えば、大ぶりなロングタイプのネックレスであれば縦のラインが強調されてスタイルアップ効果が得られます。ストール同様であり、巻かずに首から下げておけば同じ効果が期待できます。
また、ベルトも有効なアイテムの一つであり、黒や濃い茶色のものであれば腰に巻けば引き締め効果が生まれ、メリハリのあるスタイリングにすることが可能です。
全体のバランス・シルエットを意識して服を選ぶ
着やせ効果のあるアイテムを選ぶ時は1つだけ選ぶのではなく、全体のバランスやシルエットを意識して選ぶことが重要です。
1つだけお気に入りのアイテムがあっても全体のバランスが取れていなければ着膨れして見える可能性があります。
アイテム選びやコーデを作る際は、上記で紹介したXライン、Aライン、Iラインを意識しておくと着やせ効果が期待できる選択ができるはずです。
【悩み別】着やせコーデを作るポイント

誰にでも身体の気になる部分はありますが、コーデ次第では着やせして見せることが可能です。
気になる部分によってコーデのやり方や選ぶ服が変わるため、自分の気になる部分に合ったコーデを考えることが大切です。
ここでは、上半身と下半身、悩み別に着やせのポイントを紹介します。気になる部分がある方や着やせコーデ作りで迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
上半身が気になる人
上半身が気になる人であれば、Xラインを意識したコーデがおすすめです。
ウエスト位置が絞られたデザインやベルトでウエストマークされているものなど、ウエスト位置を強調するものであれば簡単にXラインが作れます。
また、上半身が気になる人は、VネックやUネックなど首回りが大きめに開いた服を着るとスッキリとして印象を与えることも可能です。
下半身が気になる人
下半身が気になる人であれば、Aラインを意識したコーデがおすすめです。
ウエスト下が末広がりなボトムスであれば簡単にAラインを作り出すことができ、気になる下半身もカバーできます。また、ウエスト位置を高くすれば着やせ+足長効果も期待できるため、一石二鳥です。
ただし、ボトムスを選ぶ際は丈感に注意しましょう。身体の気になる部分が強調されないようにするためには、膝下やふくらはぎなど、細い部分まで丈がくるものがおすすめです。
おすすめの着やせコーデ
着やせコーデをしたくても、どのようにすれば分からないという方もいるのではないでしょうか。
自分で考えるのが難しい場合は、既存のコーデを参考にすると良いアイデアが生まれるかもしれません。
ここでは、おすすめの着やせコーデを紹介します。着やせコーデのイメージがわかないという方は、ぜひ参考にしてみてください。
ミニスカート×リボンポイントスクエアネック長袖Tシャツ

ミニスカートと襟元にリボンがついたTシャツを組み合わせたコーデ。
リボンポイントスクエアネック長袖Tシャツは腰に向かうにつれてタイトなフィットになっているため、腰の位置が高いミニスカートと合わせるとXラインが生まれ、簡単にスタイルアップできます。
シンプルなTシャツですが、ワンポイントで入ったリボンが可愛らしさを演出しており、ガーリーな着やせコーデをしたい方におすすめです。
グレー、ブラック、アイボリーなどカラーバリエーションも豊富なため、自分な好きな色や雰囲気に合わせて選べます。
ストレートパンツ×ロングカーディガン

ゆったりめなストレートパンツとフード付きのロングカーディガンを組み合わせたコーデ。
ロングカーディガンはIラインを作るのにピッタリなアイテムであり、着やせコーデのなかでも定番です。まっすぐなラインのストレートパンツと組み合わせれば綺麗な縦ラインが生まれるため、より高い着やせ効果が期待できます。
いずれも少しゆったりとしたサイズ感になっているため、ちょっとしたおでかけや散歩など、気軽に着られる万能アイテムです。
痩せて見える服でおしゃれの幅を広げよう!
上半身や下半身など、誰しも身体の気になる部分はありますが、痩せて見える服を取り入れた着やせコーデをすることでその悩みを解消できる可能性があります。
着やせはさまざまな条件の組み合わせで実現するため難しく感じる方もいるかもしれませんが、上記のポイントをおさえておけば、自分にピッタリのアイテム選びができるようになります。
色や柄、デザインなど、痩せて見える服はたくさんあるため、さまざまなアイテムを組み合わせながら自分に合うコーディネートを見つけることが大切です。
どの服を選べばいいかわからなくなった場合は、全体的なシルエットや身体のラインを意識すれば、最適なアイテム選びができるようになるはずです。